45年以上前、ちょうど商売を手仕舞いするという馬喰商(馬の仲介業者)の方から、内臓仕入れの権利や配送用トラックなどを譲っていただいたのが、現在の仕事を始めるきっかけでした。当時は、労役用の汎用馬などもまだ一般に飼育されており、馬の内臓肉もさまざまなかたちで取引きされていたのです。
 その後、馬の内臓肉の取引きは急速に減少しますが、食生活の変化などもあって、牛豚内臓肉の需要が増え、それに伴って私どもの取引の対象も牛や豚に変わりました。牛豚内臓肉類を専門に扱う卸売り会社として金久保商事を設立したのは1966年(昭41)の11月。設立から40年以上を経た現在は、豚内蔵肉、和牛・交雑牛内蔵肉を主な取扱商品としております。
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 私どもは、国産の牛豚内蔵肉を大切に扱っていきたいと考えています。そのためには、有名ブランドの牛豚はもちろんのこと、特に生産性に優れた国産牛豚などにも着目していく必要があるでしょう。たとえば、純国産牛に比べて1.5倍のスピードで成長するといわれている交雑牛もそのひとつです。交雑牛の内臓肉は、今後、金久保商事が扱う主力商品のひとつになっていくのでは、と考えております。
 たしかに、国産の内臓肉は割高かもしれません。しかし、それは牛豚肉や内臓肉の国産自給率を上げていくことにより、少しずつですが解消される問題だと考えます。そして、それを実現するため、私ども流通にかかわる者は、生産者が牛豚を安心して出荷できる市場を作り、より多くの生産者が育つ環境を実現していかなければなりません。
 とはいえ、国産牛豚だけで需要を満たすことはできません。当然、輸入に頼らなければならない部分はあります。私どもの役割は、海外の牛豚食用種から、できるだけ安全で良質なものを探し出し、それを皆様にご提供することでもあろうかと思います。
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 内臓肉類は鮮度が第一です。私どもは、毎日、中央市場から直接商品を仕入れることのできるメリットを生かし、新鮮な内臓肉をできるだけ低価格でご提供すべく努力していきたいと考えております。

 今後とも、金久保商事をよろしくお願い申し上げます。

               金久保商事 創設者
  金久保 文隆

ご挨拶